「ぼ、僕が人工呼吸を」は過去のものに
VOA Special English Programから:
救急救命では心臓マッサージこそが重要
毎朝、通勤時にiPodで聞いているPodcast番組にVOA Special English Programが
あります。
VOA Special English Program
定期的に政治、経済、科学などのジャンルで、だいたい通常のニュース番組の
半分程度のスピードでクリアにしゃべってくれるので、ヒアリングのトレーニングに
うってつけです。加えて、番組の原稿がすべて上記のサイトで公開されているので
わからなかったところはあとでダウンロードして確認することもできます。
通勤時にPodcast聴くにはiPod nanoがおすすめ
ヒアリング能力、ディクテーション能力を高めたい人には是非おすすめの番組です。
Podcastでお手軽にiPodへダウンロードもできますが、iPodを持ってないとか、
他社のデジタル音楽プレーヤーでも大丈夫、上記サイトからMP3版、RealAudio版
をダウンロードしてPCや各種デジタル音楽プレーヤーで再生できます。
さて、本日の話題は最新の救急救命の話題。
以前日本水泳連盟の指導員や日体協のスポーツ指導員の資格を取得した際、
日赤の救急救命の講習も受けて受講証をいただきました。
その際(もうだいぶ前ですが)習ったのは、人工呼吸(マウストゥーマウス)1回
毎に5回心臓マッサージをする、というものでした。
「1、2、3、4、5、プゥ〜」
という感じです。
救急救命処置の事を英語で
CPR: Cardiopulmonary resuscitation
と呼びます。
日本語では心肺蘇生法といいますね。
僕の頭の中では、1に人工呼吸、2に心臓マッサージ、この組み合わせが
黄金律のように刷り込まれていたのですが、最近の救急救命事例の調査から
すると、実はそうではないという結果がでているそうです。
英国の医学雑誌” The Lancet"に投稿した日本の研究者の論文によると、
4000件あまりの心臓停止に陥った事例において、1000件程度が居合わせた
人によりなんらかの処置がなされ、712件については救急救命処置がなされ、
439件については、人工呼吸なしの心臓マッサージのみがなされました。
結果として、心臓マッサージのみ施された人は殆ど脳への障害が発生せず
22%は脳の機能がほぼ維持されたのに対し、旧来のCRPでは10%にとどまった
ということになります。
米国心臓協会は2005年にCRPのガイドラインを修正し、従来2回の人工呼吸
に対し15回の心臓マッサージが規定されていたものを、30回に増やしています。
しかしながらアリゾナ大学医学部のGordon Ewy医師は、CRPから人工呼吸
そのものを削除するよう改訂するべきだと主張しています。
その理由は、多くの人が実際の現場で患者に人工呼吸をすることをためらう
ため、そもそもCPRそのものがなされないケースが多くあり、従って
人工呼吸を施術の条件から外す事で、より多くの人がCPRを施しやすくなり
救命率が高まることが予想されるためです。
米国では毎年30万人の人が心臓発作などで倒れていますが、そのうちの
95%は医療機関に搬送される前に死亡しているとか。
ながらく人工呼吸がCPRの主役として刷り込まれてきた僕にとっては、
論理的には理解できるものの、CPRから人工呼吸が外されるという事は
なんとなく抵抗があります。
また人工呼吸がCPRから外されるとなると、CPRの日本語訳である
「心肺蘇生法」から「肺」を除く必要がでてくるでしょう。
「心蘇生法」はしっくりこないので、「心臓蘇生法」でしょうか。
過去様々なドラマなどで、美しい美女を人工呼吸で助けて恋に落ちる、という
プロットが使われてきましたが、今後は使えなくなりますねー。
現実の現場では、人工呼吸はそんなに美しいものではいにしても、
なんとなく、寂しい気もしますね(笑)
日本の救急救命のガイドラインへ反映されるのはいつになることやら。
情報鎖国により生じた、非加熱血液製剤にまつわる厚生労働省と製薬会社の
犯罪が頭をよぎります。
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