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2007年4月14日(土曜日)

ミツバチはどこに行った?

カテゴリー: - spiky @ 18時31分58秒 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをTagClickに追加

 

VOA Special Englishプログラムからのニュース:

 

 Disappearance of Honey Bees a Mystery
 「謎のミツバチ失踪」

 

VOA Special EnglishのAgriculture Report(農業関連ニュース)からの情報です。
是非Podcastで聞いてみてください。

 

 ”ミツバチ”と言えば、もちろん”ハッチ”ですが、あなたの世代は”マーヤ”でしょうか?
いずれにしても太古の昔のアニメーションです。
毎回泣かせてくれるストーリーではありましたが、そもそもミツバチの重要な役割は
あまり書かれていなかったような。
折角だから食物連鎖の中で非常に重要な役割をミツバチが果たしていることも描いて
いれば、とても良い科学番組にもなったかもしれません。

 

 さて、世界各国にはミツバチに仕事をさせて生活をしている人たちがいます。
Beekeeper、日本語では養蜂(ようほう)業者といいます。
養蜂業者の仕事は、蜜蜂を集めてお花畑からお花畑へ移動しながら彼らに蜂蜜を集めて
もらうことが主ですが、その過程で彼らはもうひとつ非常に大事な仕事をしてくれます。

 

 蜜蜂が花から花へ飛び移りながら蜜を集める際に、体についた花粉によって受粉が
なされます。リンゴやブルーベリー、アーモンドといった当たり前のようにある
食べ物が市場で回るのは、ひとえに彼らの働きによるものです。

 

 さて、昨年秋くらいから米国では奇怪なことが起こっているようです。
養蜂業者の蜜蜂の箱から突然蜜蜂たちがいなくなる現象が発生しており、
実に米国24州とカナダの養蜂業者から報告が寄せられ、30%〜90%もの
蜜蜂が失踪しているとか。

 

 あまりに失踪数が多すぎるため、牛乳パックの側面やお菓子の箱の失踪者欄に
「ハッチがいなくなりました」とか「マーヤを知りませんか」なんてことは
とても掲載できません。

 

 蜜蜂は寒い冬は越せないので、寒すぎて死んでしまったのであれば、大量の
蜜蜂の死体が見つかるはずですが、それが見つからないらしいのです。
いったい彼らはどこに行ってしまったのか???
専門家はこの突然の失踪現象を

 

   “colony collapse disorder"(蜂群崩壊症候群)

 

と呼んでいます。

 

  日本での別名、「いないいない病」(ぷっ)

 

 このcolony collapse disorderによって、米国の15億ドルに上る農作物市場は
危機に瀕しているとか。
根本的な原因はいまもって不明ですが、専門家によると、varroa miteと呼ばれる
寄生虫がある部分関与している可能性があると述べています。
varroa miteは蜜蜂にとりついて生きている小さな寄生虫で、この寄生虫が
蜜蜂同士の接触により蜜蜂の間にウィルス感染を引き起こしていると考えられています。

 

 より効率的な蜂蜜採取の為に、オフシーズンの短いよく働く蜂を育ててきた結果として
このよなウィルスに対する免疫力が低下したのではという見方があります。
またこのような効率化を追求した結果、蜜蜂が過度のストレスにさらされ、逃亡したのでは
とか気候の変動によるのでは?とか様々な原因が研究されいますがいまだこれとった
結論には至っていません。

 

 ペンシルベニア州立大学のDiana Cox女史によれば、近年の遺伝子解析によって
蜜蜂自身が病気や天敵に対し、より防御能力を高められる可能性がある事が
わかってきたそうです。将来的に、天候やウィルスに強い、よく働く蜜蜂が
出てくる可能性もあるでしょう。

 

 蜜蜂は食物が実をつける上で非常に重要な役割を果たしているので,
彼らが仕事をせず、どこかに逃亡してしまうと、市場からリンゴやら様々な受粉に
依存した食物が消えてしまう事になります。従い、これからは健康に影響を及ぼす
ような過度の労働を強いる事のないよう、労働基準局なりがよく目を光らせる
必要があるでしょうね。

 

 ところで、蜂、というと最近見た映画で「ナイロビの蜂」(The Constant Gardener)を思い出します。

 

「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス監督、
「イングリッシュ・ペイシェント」のレイフ・ファインズ、そして
「ハムナプトラ」のレイチェル・ワイズ主演のアフリカを舞台としたラブストーリー
です。

 ストーリーでは蜂そのものは出てきませんが、人々を救う為の薬を開発している
製薬会社のマークが蜂の巣であり、それがアフリカの地で貧しい人々を対象に
政府ぐるみで密かに人体実験を繰り返していた、そんな話です。
アフリカのキャンプで、大人はもとより子供たちにも次々と投薬をしていく
ブースのそここに製薬会社の蜂の巣のマークがシンボル的に登場します。

 

 こんなシンボル的な使い方をされる蜂というのは、やはり人類にとって
書くべからざる存在である、シンボル的意味合いがあるようです。
この映画ではそのシンボルが皮肉的に全く逆の効果を狙って使われている
ようでした。

 

 アフリカを舞台としたこのような欧米諸国の非人道的人権蹂躙活動は
例えば下記の「フランサフリック〜アフリカを食い物にするフランス〜」あたりを
読むとよくわかります。このような新薬の人体実験どころか、民族紛争として
報道されているほとんどの紛争の背景に大国の意思が働いています。

 

 

 なお、現在公開中の、レオナルド・ディカプリオ主演の「ブラッド・ダイヤモンド」も
まさにダイヤモンドの利権を背景とした紛争です。日本を含む先進国の女性が
自らの虚飾の為に欲するダイヤモンドの裏では、アフリカの現地で多くの血が
流れているという。。。

 

 話が飛んでしまいましたが,蜜蜂と人類との関わりは長く、古くはギリシャ神話で
人々に養蜂を教えたアリスタイオス、スペインのアラニア洞窟で見つかった1万年
前の壁画にも蜂の巣から蜜を取る女性の姿が書かれているとか。。。

 

 おそらくcolony collapse disorderの原因も一つではなく、環境変化等の様々な
要因が複雑に絡まり合ったなかで起きている、いわば人類にも起こりつつある
変化の縮図のような気がします。

 

 養蜂業への影響や農業市場への打撃といった直接的影響のみならず、
蜜蜂の世界でおきつつある変化は、人類の未来の投影であるような気がしてなりません。■

 

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