MSのスマートフォンキャンペーン
マイクロソフトが、スマートフォンの魅力を広げるためのキャンペーンをはじめたそうだ。
スマートフォンの魅力をいかに伝えるか–マイクロソフトの新キャンペーン
いかに多くの人に、スマートフォンの魅力を知ってもらい、使ってもらうか?
最も費用がかからず、簡単なのは次のように宣言することだ。
「Windows Mobile非搭載、有害物質は含んでいません。」
簡単なことである。
今後の携帯、あるいはモバイルデバイスの将来は、ひとつにはスマートフォンにかかっていると言える。それは間違いない。しかし、スマートフォンの魅力を見せてくれるのは、間違ってもマイクロソフトの製品ではない。Windows Mobileがスマートフォンだと思って購入した人は100%だまされた気分になるだろう。技術的な特質うんぬんや、ユーザインタフェースデザインうんぬんの話は置いておいて、デスクトップ版のWindows(いまならXPかVistaか。。。)から派生したモバイル用のWindows Mobileは、すでに相当古いメタファにもとづいている。
スマートフォンの機能は、ユーザが好きに増やしたり、減らしたり(そう、これが大事!)できる点なので、それができない現在の携帯には将来は無い。したがって、
「何が魅力なの?」
と聞かれた時に、
「えーっとねぇこれは、ワンセグがついてて、お財布携帯機能がついてて。。。」
といった説明はすでに古い時代の見方だ。
また、
「スマートフォンって、すごいいろんな機能がついてるんだよ!」
とつい説明してしまうのも間違いである。「ケータイ」に比べ「いろんなことができる」というのは間違いではないが、「いろんな機能がついてる」わけではない。いろんな機能を追加することもできると同時に、削ることもできるのである。で、こんな説明を聞くと、ガジェットには興味ない普通のユーザは
「えー、そこまでいろんな機能必要ないし。いまの普通のケータイで十分だよ。」
というのがお決まりの反応だ。でも実はこれも、勘違いである。もっとも先のような説明をされてしまえば、当然このような印象を持つ人が多いのはごく自然なことだといえる。が、実は、「今のケータイはなんかいろいろ機能がつきすぎてて、そこまでいらない」と思っている人ほどスマートフォンを使ってみるべきだし、本来スマートフォンというのはそういうものだと考えている。
これからの時代、ファッションに工夫をして他人と差別化し、自分というものをよりアピールしていく多様性の時代で、それは衣服に限らず持ち物全てにおよぶわけで、ケータイも例外ではない。事実、デコ電(デコレーション電話)などはその走りといえる。新宿のアルタ横には、味も素っ気も無いおしきせのケータイにスワロフスキーのクリスタルを見事に貼り付けて素敵なデコ電にしてくれるところがある。しかし、見栄えに個性を主張するのに、中身は同じでいいの?ということだ。中身に関しても、「どの機能が必要で、どの機能は必要ないのか?」は個人により様々だ。よりシンプルを好む人は、不必要な機能を極限まで削って操作も簡単にしてしまえばよい。スマートフォンならこれができる。ケータイには逆立ちしてもできない。(auのナカチェンなど、できるうちに入らない。)
従って、スマートフォンこそ、「より自分を主張したい人、不必要な機能に嫌気がさしている人」に向いているのだ。
とは言うものの、少なくともこれからのスマートフォンにも欠かせない、たくさんある可能性のなかの一つとして「電話機能」と「データ通信機能」は必須だろう。
しかしWindows Mobileは、この必須機能である「電話機能」の使い勝手があまりにタコなのだ。おまけにアプリケーション間の連携は、もっさりとした気持ちの悪いデスクトップ版のWindowsそのままで、およそユーザビリティの面で「気持ちが良い」とはいえない。
勘違いしてはいけないのは、「Windows」というのは、良い製品を象徴するブランドでもなんでもない。ただ単にいまたくさん売れているというだけだ。
市場経済において、
「たくさん売れている、シェアが高い」
というのは、必ずしも
「その製品が良い」
ということとは同義語ではない。(もちろん、条件がそろって同義語の場合もあるが)。ものが市場で売れるための条件は、その製品の「よさ」だけが条件ではなく、もっと多くの複雑なパラメータが存在する。例えば資金力にまかせて、赤字覚悟で低価格にし、それによってライバル、そのうちのいくつかは優れた製品を生み出している、をつぶしてしまう、という要素である。資金力さえあれば、多分に恣意的に市場を操作することもできるので、ただ単純に「数が多い」ということを選択のよりどころとしないことが寛容である。
実際、Windows、あるいはマイクロソフトの生み出しているソフトウェア製品は「これ明らかに設計ミスでしょ」という機能が随所に盛り込まれ、(あるいは過去の経緯として結果的にそうなってしまった、というものもあるだろう)あまりに生産性が悪い。(日々、胃が痛いことが多すぎる)
いや、悪いというレベルではなく、実際問題として日々無駄な時間をとられることがなんと多いことか。そして多くの人がそれしかしらず、使っているために、「問題がある」ということにさえ気がついていない。しかしなんせ数が多いので、そういった「知らないことを知らない」多くの人たちが、「これいいよ〜」なんて言われると、知らない人はまたその「知らないことを知らない」グループに引き込まれてしまうのだ。危険である。
Windowsが産業市場において非常に多くのシェアを誇っている現実は、すなわち同じシェアの多くの企業が日々無視できないほどの無駄時間=損失を垂れ流していることの裏返しである。残念なことに、いまの企業の経営者・経営陣はあまりにもICTに関し、不勉強すぎる。自らの勝ち負けを左右する最も重要な鍵となる、ICTに関する本質的な知識、それも深い知識が欠けているのだ。
せいぜい日経パソコン程度(失礼!)を読んでわかった気になっているのは手に負えない。むしろ生半可に表面的な言葉を知っている程度の経営者が一番救いがたい。自社の知的生産性の向上、ひいては価値の創造と俊敏性を真剣に考えるのであれば、Windowsを捨て、マイクロソフトと縁を切る決断ができるはずだ。しかしそう判断できるようになるには、いまの情報技術を知らねばならないと思うし、あらためて勉強すべきだ。
(なんせこの世代が学んでいた時代にはビジネスに使えるパーソナルコンピュータなど無かったのである。せいぜいパンチカードのホスト機がせいぜいで、その時代から、いったいどれくらい世の中が進んでいると思っているのだ。古典的なエンジニアリングという面で見ると、スティーブンソンのロケット号が生まれてから今日までのおよそ200年の間に、乗り物の速度はたかだか170倍程度にしかなっていない。一方で、情報技術の世界、たとえばパーソナルコンピュータで見ると、1980年代に普及はじめた8080ベースのパソコンと、今のCore 2 Duoの世界を比較すると、1年で2倍※、10年で10の3乗倍もの指数関数的速度で伸び、20年間で実に10の6乗倍である。200年の間にたったの170倍にしかなっていない、そういった時代の知識と今との開きがどれだけあるのか、実に明快だ。)
(※俗に言う、ムーアの法則)
この170倍と10の6乗倍の世界が、いかに違うか勉強してみたいという方は、まずは梅田望夫氏の「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」 か廣瀬通孝先生の「空間型コンピュータ―「脳」を超えて」
あたりを読まれることをお勧めする。
ちょっと話がそれてしまった。
「Windows」だからと安心せず、特にいろんなことのできるスマートフォンを選ぶにあたっては、他のいろいろな選択肢も自分でためしてみて判断してみることだ。たとえGoogleで検索して、トップがほとんどWindowsで埋まっていたとしても、それは製品が良いことの保証にはなんら関係ない。
僕自身はiPhoneを使っている。もちろんいまの「ケータイ」にある基本機能を比べると、劣るところもまだ多々ある。しかしスマートフォンは自由だ。この自由さはお仕着せの機能しかない「ケータイ」がいくらきらびやかでも、一度この自由さを知ると、もう戻れない。一度Windows系は選択肢からはずして、それ以外の選択肢で比較をしてみよう。
たとえば、NokiaのSymbian OSは歴史も長く、こなれていてなかなか楽しい端末が多い。日本での販売は来年からだが、Googleの開発したAndroid OSを搭載するスマートフォンも、いまの既存の携帯の形態にしばられずに開発された最も新しいOSでもあるし、非常に期待が持てる。
(※ 「(今のOSが)バグばかりだ、機能が足らない」というのはやめておいが方がよい。そういった既知の問題とか不具合とか、使い勝手はそのうち改善されるのだ。スマートフォントは日々進化するのである。買った時点ですでに化石である「ケータイ」とは比較してはいけない。)
Windowsはこれからの新しいスマートフォン時代のOSではない。
Windowsを捨てよう、そして新しい時代に飛び立とう。
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