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2008年11月30日(日曜日)

705NK(N73)の自由化

カテゴリー: - spiky @ 23時33分44秒 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをTagClickに追加

ここんとこiPhoneねたばかりでしたが、この週末はNokia 705NK(N73)をいじっておりました。

 

丁度この7月に705NK(SBむけの型番。海外ではN73)からiPhoneに切り替えたんですが、丁度時期を同じくして、N73、というかSymbian OS S60の自由化において、大きな進展が在ったんですね。丁度4月頃の話。そのころはすでに気持ちがiPhoneに飛んでたので、情報追っかけてなくて知りませんでした。

 

なんでもS60v3の認証メカニズムとセキュリティ(同じか。。。)が脱獄されて、はれて国内版の705NKも認証済みアプリ以外の勝手アプリやテーマ等が自由にインストールできるようになりました。またこれまでセキュリティがかかっていたシステムフォルダにも入れるようになったので、事実上、(SIMロックを除き)殆どのことが出来るようになったようです。

 

N73の世界では「Allfiles化」と呼んでます。

 

iPhoneとおなじく、テーマですらNokiaの認証を得たものでなければ、インストーラによりインストールができず、いちいちPCでsisパッケージをばらしたあと、手でメモリカードやその他の手段を使って携帯に持ち込んでから手動でインストールせねばならないと、なんとも厄介な状況でした。

 

今回、App TRKやSecMAN.exeといったツールを使ってAllfiles化したので、はれて膨大な数あるSymbian OS用のテーマ等をすなおにインストーラでインストールできるようになりました。また自前でアプリを作れる人も、そのまま端末に持ち込んでテスト出来る等、ユーザサイドの自由度が大幅に緩和されたというのは、嬉しい限りです。

 

もちろんNokiaとしてはこれを認めている訳ではないので、基本、自己責任ですし、あたらしいデバイスドライバではこの穴が塞がれているらしい。新しいバージョンではより強固なセキュリティがかけられることでしょう。

 

しかしこうして、まだユーザサイドでのカスタマイズの可能性が大幅に広がったことで、やっぱN73も捨てがたかったなぁと。なにより、N73で出来て、iPhoneで出来ないことがまだ在りますから。

 

先にも日記に書きましたが、ボイスダイヤル/ボイスコマンドは捨てがたい。

 

またそれにも増して、Bluetooth関係の対応プロファイルが多く、使える周辺機器も多かった.たとえば、折りたたみ式のBTキーボードであるとか、アノトペンなどのデジタルペンは便利でした。

 

またこれ以外にも、プロファイルの設定と時間やカレンダーと同期させた自動切り替え機能や音声通話の録音機能など、実用的な面で、まだiPhoneよりもN73の方が一歩優れているという気がします。

 

で、ソフトバンクの冬モデルでは、なんと、このN73の後継機種であるN82が登場し、無線LANにもついに対応しました。またディスプレイも多少大型化するとともに解像度も向上し、またカメラに関してはひきつづきカールツアィスのレンズを搭載し、画素数も300万画素から500万画素に向上してます。そしてデザインも、これまでのポップな感じから、ぐっと渋いデザインになって、非常に魅力的なデバイスに仕上がってます。

 

うーん、iPhoneに変えたばかりだしなー。

 

NokiaはNokiaで、アップルのiPhoneとはまた違った魅力があります。
(かたや同時期に発売された、各キャリアの冬モデル、あいかわらず横並びでまったく面白みが無い。シャープの端末など、その最たるものかもしれません。相変わらずの技術偏重、しかしこれはメーカの責任というよりも、キャリアなのかも。中途半端なタッチオペレーションのまねごとは、いらんです。)

 

しかし残念なことに、Nokiaはこれを最後に日本市場からの撤退をきめました。Nokiaにつとめる友人の話によると、プレス発表のことも殆どの社員が知らなかったらしく、世界的な経済の不透明さが漂う年末に、何でまたこんな時期に、と言う気もします。とっても残念なことです。

 

対米従属という世界から見ると一種特異な路線を、この期に及んで堅持しようとして、世界は愚か、アジアからも見放されつつ在る日本、Nokiaの撤退は携帯ビジネスでの一イベントではなく、いま世界の中で日本が孤立しつつ在る様々な側面の一つのように見えてなりません。

 

日本はいま様々な面で、転換期を迎えています。残念ながら麻生政権はその波を見送るつもりらしい。

 

話が戻りますが、Nokiaは今後日本国内の一般ユーザ向けの市場からは手を引くと一方で、Nokiaお得意のセレブ携帯ブランド、バーチュについて、DoCoMoからの回線をMVNOで借り受けて独自サービスを始めるのだとか。ユーザそっちのけで、あまりに口出ししすぎる日本のキャリアの囲い込み戦略も、いよいよ末期かという感じもします。

 

いずれにしても、Nokiaの携帯。楽しいです。


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2008年11月28日(金曜日)

音声でiPhoneを操作しよう!

カテゴリー: - spiky @ 12時06分56秒 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをTagClickに追加

 

「ほぼ日-iPhone版-」な最近ですが、ねたが尽きませんねー。

 

いきなりでなんですが、実は僕の携帯暦というのはそんなに長くありません。

 

長らくNTT Personal, その後のDoCoMoのPHSを使ってました。当初はデータ通信を安く、ということでHP200LXと組み合わせてコンパクトに持ち運びでき、使えるもの、というのがPHSを使い始めたきっかけです。その後、海外、特に米国に行くことが多くなり、仕方なくPHSからはじめて携帯に乗り換えました。

 

実のところ、最初の携帯はauの5505SA。

 

登場当初は、海外で使える初の何でも入り携帯(かつ当方が重視している電子コンパスもついている!)で、これにはかなり活躍してもらいました。途中ヨットのレース中に、海に落っことし、あらためて同じ機種を取り寄せてもらい使ってました。しかしながら個人的な夢としては、携帯電話が使いたいというよりも、それも含んだより汎用的なデータ通信デバイス、最近の言葉で言えば「スマートフォン」が使いたい、というのが本心でした。海外ではNokiaやブラックベリーなどのスマートフォンが当たり前のように使われているのに、なぜ国内ではそれらを使えず、キャリアお仕着せの魅力の無い端末しか使えないのが非常に不満でした。

 

昨年待望のアップルのスマートフォン、iPhone 2Gが出ましたが、残念ながら2Gは国内発売予定なし、この先3G版が出る可能性がある、という予測もありましたが、はたしてそれが国内で販売されるかどうかもわからず、結局2つ合った候補の一つ、NokiaのN73に切り替えました。

 

国内における携帯に対する常識からすると、画一化された機能やデザイン、使い勝手に対し、幾分異なったテーストを持つN73に戸惑いました。特にメール機能に関しては、もうほんと必要最低限という感じで、到着したメールの自動フィルタリングさえできない!

 

しかし、それ以上に(国内版であるが故の制限がかなりあったにもかかわらず)スマートフォンの自由さ、というものに触れ、自分で必要な機能を拡張し、カスタマイズできることがこんなにも楽しいものかということに感動した次第です。

 

昨年6月にN73にしてから約1年がたち、今年の6/11のWWDC(World Wide Developpers Conference, 年に2回あるアップルの大きなイベントの一つ)にて、ついにiPhone 3Gが発表され、その直後にソフトバンクから国内でも販売されるといううれしいニュースが流れました。しかし完全には手放しでは喜べない状況もありました。つまり、N73は2年の分割で購入していたので、支払いがあと1年あったということです。

 

この時点で、すでにカスタマイズしまくって、まさに自分のアイデンティティの一部ともいえる状態になっていたN73を手放してまでiPhoneに乗り換えるべきか相当に悩んだわけです。しかしながらアップルというブランドのスマートフォンを待ち望んでいたこともあり、発売初日の7/11にiPhone 3Gに乗り換えました。

 

スマートフォンの自由さ、という面ではApp Storeというアプリケーション自由市場の同時開設もあって、N73に比べると、さらに楽しさは倍増した、という感じですが、しかし一方で

 

  「あぁ、N73ならこんなことができるのに!」

 

という不満もまだ若干あります。

 

特にiPhoneに足らないなぁと思っているのが、

  1. ボイスダイヤル・ボイスコマンド機能
  2. 通話録音機能を持つ音声メモ機能

です。

1に関しては、N73が搭載する、NokiaのSymbian OSには標準で搭載されています。またこの機能そのものはそんなに新しいものでもなく、海外では自宅の固定電話の端末にもかなり古くから搭載されていたものです。これ使い始めると、すごく便利なのですが、いまだにボイスダイヤル・ボイスコマンド機能を標準機能として搭載しているケータイはほんのいくつかしかありません。

 

N73は電話帳登録されている相手先のよみがなでボイスダイヤルができるのです。また主要アプリの起動までですが、ボイスコマンドも搭載しています。これによって深い階層のアプリを、小さなボタンとメニューをたどりながら時間をかけることなく、一発で起動することができます。ボイスダイヤルに関しては、誰の名前と認識したかをプレイバックしてくれるので誤ダイヤルもありません。

 

またBluetoothのHFP(Hands-Free Profile)と組み合わせると、BTヘッドセットからも同じようにボイスダイヤルやボイスコマンドが使えます。これは特に自動車で運転中(通常BTヘッドセットを使っています。)に非常に威力を発揮しました。

 

iPhoneはスマートフォンでありながら、ある意味スマートであることの象徴とも言えるこの基本機能を搭載してないのです。

 

もう一つの通話音声の録音機能。

 

iPhoneにも、ボイスメモ系のアプリが膨大にリリースされていますが、いまのところ、通話を録音する機能まで有するボイスメモアプリは登場していません。App Storeで販売・配布が許されているアプリケーションは、どうもアップルが基本搭載機能との連携を許していないようで、それもあって出てこないのではないかと考えています。

 

N73は標準では搭載していませんが、Ultimate Voice Recorderというアプリケーションを購入してインストールすることで、ボイスメモはもちろんのこと、通話の録音も可能で、録音データもコンパクトな上にこれらのデータをPCへ持ってきて標準的なOS付属のプレーヤーで再生したり編集したりすることができるため、非常に重宝しました。とくにSymbian OS系のボイス系のアプリの中で、唯一ステルスモードを持っており、通話中の音声データの録音開始・停止操作などが通話を中断せずに自動で行える機能を持っていました。なので僕は通常は常にONにしておき、不要ならば(多くの場合は不要ですが)あとでまとめて消す、ということをしていました。

 

これのメリットは、「あれ、あのとき、どこっていってたかな?」「あー、問い合わせ先の電話番号聞いたけど、最後の番号なんだったっけ?」といったときに威力を発揮します。なにか問い合わせをする際に、いちいち携帯から耳を離してメモ機能に切り替えたり、そのときになって録音機能を有効にしたりしなくてもいいのです。単にその場ではUltimate Voice Recorderの録音にまかせておいて、「はいはい」とだけ、返事しておけばよいので非常に楽です。

 

(※ 携帯の通話中にテキストを記録できるメモ機能ほど使えないものはないですねー。キーボード打つのに耳から離さないといけないし、話した状態で相手の行っていることを聞くために、さらにスピーカーに切り替えないといけない。これっていつでもどこでもできるわけじゃないので、実質的に使えないのです。)

 

この快適さは忘れがたく、ぜひiPhoneでも登場してほしいと願ってます。

 

ところで、2つのうち、1に関しては、アプリではありませんが、どうやら願いをかなえてくれる外部機器が登場したようです。

 

  iPhoneを音声のみで操作できる「iLane」が米国発売–メールやスケジュールも読み上げ

 

このiLaneという外部機器は、主として車で運転中などに、スマートフォンの各種操作を音声でやったり、メールなどのテキスト情報を音声で聞いたりのためのもののようで、はたしてボイスダイヤルができるのかどうか不明ですが、少なくとも多少なりとも1の願望の一部はかなえてくれそうです。

 

しっかしですねー、こんな外部機器にしなくても、iPhoneでは音声処理をするのに十分すぎるほどのCPUをつんでいるのです。例えば、Googleの音声検索が可能になりましたね。

 

  音声入力で検索できるiPhone/iPod touch用「Google Mobile App」

 

まだ北米発音にしか対応していませんが、これだけ認識できるのであれば、日本語に関しても十分なはず。だってN73でできてたんですから。なので、(もし上記の開発にかかわるアップルからの制約がなければ)iPhone本体に十分実装できる機能だとおもうんですけどね。もちろん専用機器ならば、実用上の性能面で卒が無いのは間違いないとおもうのですが、iPhone使うのは車の中ばかりじゃないですからね。外部機器を増やせばポータビリティが損なわれます。

 

そういった意味では、12月発売予定の、iPhone用のワンセグチューナ(+外部バッテリ)に関しても同じことが言えるわけですが、しかし、こちらはiPhoneをチャージできるという外部バッテリーの機能を抱き合わせた点で納得がいくわけです。

 

とはいうものの、こういった音声操作・音声読み上げに関するニーズがあると踏んでの製品化でしょうから、N73に期待していたような音声関連機能を基本機能としてiPhoneに求める人は少なくないのは間違いなさそうです。


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2008年11月27日(木曜日)

英で放送禁止のiPhone3GのCM

カテゴリー: - spiky @ 12時52分48秒 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをTagClickに追加

 

アップルのiPhone3GのテレビCMが、「またしても」英で放送禁止になってしまったようです。

 

  iPhoneのテレビCM、英国でまた放送禁止に

 

英国の広告監視機関Advertising Standards Authority(ASA)に、「誇大広告だ!」と17人の利用者が訴えたことがことの始まりらしい。ASA(朝日新聞じゃないよ)による放送禁止は今回で2度目だとか。

 

Googleマップの画面操作やファイルダウンロードの操作の画面(数秒程度)にかぶせて「(インターネット接続も)非常に高速です!」と連呼(?)したことが原因らしい。ASAによると、この画面に「非常に高速」という言葉を繰り返しかぶせていることが、利用者が動作速度が高速だ!と勘違いをする原因になっているという判断らしい。「(利用者の利用状況によります)」という但し書きが付いていたということだけれども、たしかに場合によっては動きが非常にもっさりとすることもあるし、地図のダウンロード状況や、どれくらいでかいファイルをダウンロードしてるとか、超かたつむりなサーバからファイルをダウンロードしてたりすると、たとえiPhone 3Gが直接の原因で無いとしても、「むきーっ!」といいたくなることがあるのは確か。

 

インターネットに限らず情報技術、情報サービス全般に言えることだけれども、はたして裏でなにがどのように動いているかなど、機械製品と違ってユーザは知る由もない。(ボンネットあけて中見るわけにも行かないしね。)

 

  「ユーザにとってはユーザインタフェースが全て」

 

とはソシオメディア株式会社の取締役、上野学氏の言葉。ソシオメディアは様々な企業に対し、ユーザインタフェース、今の言葉で言えばユーザエクスペリエンスを向上させるためのコンサルティングをやっている会社だ。昨今あらためて「ユーザエクスペリエンス」が叫ばれるようになってきたのは、従来非常にやっかいであったユーザインタフェースプログラミングのためのツールや構築環境が充実してきたことと、かなり負荷の大きなユーザインタフェースの処理を行わせても気にならないほどソフトウェア実行環境(つまりはハードウェア)の性能が大幅向上してきた、という時代背景がある。

 

ユーザエクスペリエンスを向上させねばならない、ということはパーソナルコンピュータ登場しばらくしてから今日までずっと言われ続けてきたことである。しかしニューラルネット理論の実装が、理論の発表後しばらくしてから日の目を見たのと同様、実際にそのような理想的な処理を行わせるには、ソフトウェアのコーディングも大変だったし、それを処理するハードの能力も不足していた。

 

最近のプログラミングスタイルは、僕たちが8080やZ80を使ったマイコンを回路から起こし、ラッピングワイヤーや半田ごて片手にゼロからコンピュータを作っていた時代とは隔世の感がある。いや隔世の感どころではない違いだ。

 

このパーソナルコンピュータ黎明期では、プログラミングといっても、基本的にマシン語、そしてアセンブラであり、回路上のワイヤー一本のon/offはメモリやアドレス上の1bitに、一対一に対応していた。またメモリも数kBとか数十KBというレベルなので、いかに1バイト削るかというのがコーディングをする上でも、良いコード・悪いコードを決める上での最重要クライテリアだった。

 

やがてBASICやC、そしてOSや統合開発環境とソフトウェア開発の環境はリッチになってきたものの、開発の力点は主として内部処理におかれ、最後に妥協がなされるのがユーザインタフェース部分であった。

 

しかし最近はより高次のプログラミング言語や開発環境、そしてさらに生産性を向上させるためのフレームワークなどが多数登場し、はたして自分が書いたメソッドの裏でどれだけのマシン語が処理されるのかなど殆どの人は気にしないし、気にする必要もないほどハードのスペックが向上してきた。(実に、1年で2倍、10年で1000倍である。)

 

ようやく「このテキストをボタンに置き換えたら、どれくらい速度が遅くなるだろうか?」といったことをあまり気にせず、素敵な部品を操作画面に配置できる世の中となってきた。ここにいたって、ようやくユーザインタフェースのよしあしを真剣に考えるタイミングに来たのだ。人間がコンピュータを使うのは、作業を効率化し、短縮したいからだ。なのに人間から見てそれを実現してくれる道具の操作端があまりに不出来で時間のかかるものだと、そのソフトウェアは悪い、という評価にしかならないだろう。たとえ内部でいかにすぐれたアルゴリズムによって賢く早く処理がなされようと、人間がコンピュータとかかわる接点の部分、つまりユーザインタフェースが操作しやすくできていなければ、何も評価されない。ユーザにとって、ソフトウェアの中身はわからないし、基本、どうだってよいのだ。

 

それが「ユーザにとってはユーザインタフェースが全て」という言葉の意味である。

 

開発者としては当然のことながら、内部処理はいうまでもなく賢く作らねばならない。しかしそれと同時に、それを十分に生かしてもらうために、ユーザインタフェースに最大限の配慮をせねばならない。使いやすく工夫しなければならない。

 

ところが気がついてみると、今日ソフトウェア開発をやっている開発者のどれだけが、はたして「よいユーザインタフェースとは何か、どう設計するべきか、どう作るべきか」をきちんと学び、理解しているだろうか。内部のコーディングが統合開発環境やフレームワークなどの登場で非常に楽になった、そのままの感覚で、無関心にかつ配慮無く、無造作にパレットからボタンやプルダウンメニューを持ってきて配置してないだろうか。昔はそれを一つ増やすにも処理の負荷を考えねばならなかったので、配置においてそれなりのクライテリアがあった。考えて配置せねばならなかった。(必ずしもそれが良いユーザインタフェースを目指したものでなくとも)

 

しかし昨今はあまりに簡単にボタンやスライダなどのユーザインタフェース部品を配置できるし、ちゃんと処理してくれるものだから、本来ちゃんと考えねばならないところを考えないで作ってしまったシステムが氾濫してしまっている。

 

  「良いユーザインタフェースとは、好みではない。

   人が普遍に持つ行動の性質をうまく利用したものが良いユーザインタフェースである」

 

とは、初代マッキントッシュ開発プロジェクトで有名になった、故ジェフ・ラスキンの言葉だ。しばらく前に亡くなってしまったが、素晴らしい本を残してくれた。「ヒューメイン・インタフェース―人に優しいシステムへの新たな指針
という本だ。ユーザエクスペリエンスという言葉が生まれるはるか以前に、良いインタフェースとはなにか、どのように作ればよいか、を示した素晴らしい本である。(あわせて、「ペルソナ作って、それからどうするの? ユーザー中心デザインで作るWebサイト
」あたりも最近の動向として参考になる。)

 


 

普遍的な行動、とは、例えば「一度学んだ行動を新しい状況に当てはめようとする」行為や、「過去の経験を処理の効率化に利用する」行為、「コミュニケーションにおいて許されるレスポンス遅延」などである。これらは人間なら誰しも持っている特性だ。

 

そういった面で見ると、iPhoneのユーザインタフェースは、間違いなく素晴らしい。

 

そしてそのおかげで、これまでのケータイ(僕がこう書くときは、特に日本のガラパゴス携帯のことを言っている)にはなかった、素晴らしいユーザエクスペリエンスを提供してくれている。もちろんSafariが落ちたりとか、日本語入力がもっさりしている、というこまごまとしたソフトウェアの成熟度が足らないゆえの問題点を多々かかえているとしてもだ。ちなみにこれらの問題点がケータイならば、全く売れない原因となり、即販売中止となるだろう。しかしiPhoneは売れ続けている。情報鎖国を推進している国内のメディアがどう書こうが、世界的にはこれまでの情報端末に類を見ないほどの勢いで売り上げを伸ばしているのは事実である。そしてそれがこの斬新なユーザエクスペリエンスから来ていることも大きな要因である。

 

上記のようなこまごまとした問題を気にしていないのは、iPhoneの場合、購入した後も逐次改善がすすみ進化する仕組みが提供されているからである。事実、これまでiPhone 3Gにおいては、OS2.0, 2.0.1, 2.0.2, 2.1, 2.2とすでに5回のOSや基本アプリを含む更新がなされ、そのたびに着実に安定し、さらに使いやすく、そして新機能もどんどんと追加され、ますます手放せなくなっている。いまだかつてこのようなことをしてきたケータイはない。

 

(実は、日本でもソフトバンクがNokiaの端末を扱っていた。Nokiaの端末はケータイではなくスマートフォンの部類であって、海外版においては、Nokiaが逐次OSの更新などをやっているのだが、日本国内版のNokiaに関してだけは同じ型番をベースにした端末でも、基本的に、このメーカの素晴らしいサービスを全くうけられないようにしてある。なぜ?そこまでして鎖国したいのか?もしソフトバンクがこの愚作を続けなければ、iPhone以前にスマートフォンがブレークしていただろうに。)

 

さてすでに書いたが、そういったわけなので、非常に安定してきた最新版OSの2.2でも、まだユーザエクスペリエンス的に不満な点も多い。今回の「早い」が「遅いじゃないか!」となったのも、まぁそういった悪い面に一般ユーザが噛み付いたからだろう。それは当然のことといえる。アップルもただ単に「早い!」を繰り返すのは問題だと思う。

 

問題点として2点上げられるだろう。

 

ひとつは、(おそらく広告として当たり前の戦略として)本来「相対的な」表現である、「早い!」を比較対象を(意図的に)明示せずに連呼してしまった点。これはマーケティング上、意図して行われていると思われるので、そこはすこしアップルが配慮すべきだと思う。

 

もう一点は、ユーザサイドとしても、「一様に早い」という理想的な機能を作り上げるのは非常に難しい、というごく常識的な事実をちゃんと理解すべきだ、ということだ。(とは言うものの、「そんなに早くないじゃないか!」といいたいユーザの気持ちは良くわかる。)

 

何かが「早い!」というとき、それには比較対象が存在する。比較対象がない、単なる「早い」という表現は意味を成さない。たとえば、上記に書いた「そんなに早くないじゃないか!」とユーザが言うとき、その比較対象はコマーシャルからえられる、ユーザが望む理想的な iPhoneのあるべき姿だ。そこにはネットワークの輻輳により、時に通信速度は不安定で低下することが日常的に起こりえる、という事実を意図してか意図せずか無視している。「車が早い!」というときは、多くの人は「自分が歩く速度」とか、「自転車」など比較のベースとなる対象物を暗に想定している。

 

ただ問題なのは、何を比較対象に持ってくるかは、それを明示的に指定されない限り人によって千差万別である、ということだ。iPhoneに興味を持ち、比較的知識のある人ならば、ひょっとすると比較対象とするのは、初代のiPhoneであるかもしれない。初代iPhoneは3G(第3世代データ通信)には対応しておらず、2Gとも言われるように第二世代のGPRSにしか対応してなかったので、それこそ死ぬほど遅かった。それを知っていれば、3Gの速さは2GのGPRSに比べ、圧倒的に早い、と思っていることだろう。しかしこれを一般化してしまうのには問題がある。多くの一般ユーザには、(そして日本のiPhoneユーザには)2Gの話など関係ないからだ。

 

しかし、少なくともiPhone 3Gを使うのであれば、一般的な事情として(たとえiPhone 3Gに直接起因するのでなくとも)通信が輻輳(混雑)すると、早いものも遅くなるし、それは日常的におこるものだ、くらいは今世紀のコンピュータリテラシーとして理解しておいても良いのではないだろうか。

 

あとアップルに関しては、意図的に比較対象となるものを明示せず、ユーザの解釈にゆだねているところがある。にしても、まぁ「2Gにくらべて」とかくらいなら言ってもいいんじゃないか。

 

しかしまぁ、総じてiPhone 3G、特に今回更新されたOS2.2になったiPhone 3Gは非常に良い。そしてまだ他にいろいろとある問題に関しても、そのうちにアップルが遅かれ早かれ対応してくれるだろうという期待が持てるので、今後の成長を楽しみに待つ、くらいの気持ちで利用するのがいいんじゃないかと思うしだいである。たしかに「何かに比べて」遅いかもしれないが、しかしそれ以上に素晴らしいユーザエクスペリエンスを提供してくれているのは事実なのだから。

 

 

 

 

 


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2008年11月25日(火曜日)

3GでVoIPする方法考察

カテゴリー: - spiky @ 12時45分26秒 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをTagClickに追加

 

最初に書いておきますが、要脱獄です(汗)

 

iPhoneは3G(第3世代データ通信)とWiFi(無線LANですな)の両方をうまく使い分けて、シームレスに接続をしてくれるのですが、残念ながら一部のアプリケーションでは、このネットワーク接続の種類によって機能が制限されます。

 

最も期待の大きい、VoIP(Voice over IP)アプリケーション、特にSkype他のインスタントメッセンジャーに対応している"Fring"も、WiFi経由ではSkypeのVoIPである(というかそもそもこちらのほうが本業)音声チャットが許されているものの、WiFiから3Gに切り替わると、音声チャット(音声通信)機能は使えなくなります。

 

FringそのものはApp Storeから購入(無料です)できる、由緒正しきAppleお墨付きのアプリなので、おそらくこのWiFi経由の音声通信機能が使えない理由はおそらくアップルが許してないからでしょう。(それを許してしまうと、各国において事情は異なるものの、多くのキャリアは自分のところの音声通信料金プランをざるにされてしまうので、快く思わないでしょうねぇ。)

 

しかしアプリケーションが「WiFiでつながっている」ふりをするアプリがあります。"VoIPOver3G"という脱獄系アプリで、Cydiaからインストールできます。これを使うと、アプリケーションは常にWiFiでつながっていると「思い込まされる」ので、WiFで使える機能は全て使えます。

 

つまりFringを使って3Gでも音声通信ができるということ。

 

ただし、インストールはしたものの、まだ試していません。デフォルト状態では、FringとApp Storeのみに対し、このフェイク機能が有効となっているようですが、SSHでログインして設定ファイルをいじることで、任意のアプリケーションを対象とすることができます。

 

ただ、そもそもWiFiにこれらのアプリケーションが制限していあるということは、単にビジネス上の問題だけではなく、WiFiにくらべ3Gが圧倒的に回線が細いという技術的な面も考慮しての対策であることも頭に入れておく必要があるでしょう。大量のパケットを流す音声通信や、中には非常にサイズの大きなアプリ(10MBを超えるとWiFi経由でしかダウンロードできなくなります)を、この3Gの細い回線を使うことで、回線が輻輳(ふくそう、混雑すること)することが十分に考えられるため、加入者に一様に均質なサービスを提供する責任のあるキャリア側としては、まぁ当然といえば当然の措置かもしれません。(技術的にも納得できるし、しかしそれをいいことに言い訳にしているともいえるし。。。)

 

うまく動くかどうかは実際に動かしてみればいいわけですが、まだやってません(汗)。

 

従って、はたして実際に、Fring+VoIPOver3Gで、3G回線で音声通信が確認できているわけではないですが、期待大です。

 

ところで世の中の動きとしては、Nokiaが今度DoCoMoの回線網を借りて(MVNOってサービスです)、自社の超高級携帯(5万円〜300万円とか?)用の専用の音声通信サービスを始めるってことなので、実際には使えるってことなのでしょう。また今日のニュースで、

 

  携帯端末“鎖国”に終焉 日本通信、MVNOで大手に風穴

 

というニュースもあるように、もはやこれまでのようなキャリアによる「囲い込み戦略」による化石時代の戦略が破綻するのも時間の問題となってきました。

 

携帯ビジネスの立ち上げの初期においては、このような保護主義的やりかたも必要だったでしょう。しかし現在のように殆ど飽和状態にあり、ユーザにもっと様々な選択の自由が与えら得るべき時代に、あえて鎖国状態を作ろうとするキャリアの姿勢は問われるべきでしょう。しょせんキャリアは土管屋だと僕は考えています。もちろんキャリア独自のアイデアでユーザの獲得をすることは自由市場社会においては当然のことなので、そういった努力はどんどんとやっていくべきだと思いますが、市場の様々なベクトルを無視してまで、市場を箱に入れておこうとする戦略をとろうとするならば、それらは打ち破られるべきです。

 

何よりもユーザのためにならないし、技術的、ビジネス的なさらなる成長の可能性を真っ向からつぶしてしまうことになる。

 

Fring+VoIPover3Gのような選択肢も、このような時代の移行期にあって、当然でてくるべくしてでてきたユーザの選択肢と考えます。いずれMVNOが広まり、ユーザがこれまでの縦割り携帯市場(あるいは鎖国状態)から開放され、自由にキャリア、端末、サービスを組み合わせることができるようになれば、やがて廃れていく端境期のテクニックであるには違いないのです。

 

追伸:

Fringに用意されている"fring test call"には3G網に接続している状態で発信はできました。しかし折り返し電話くれるようなことを電話口で言ってますが、折り返しの電話はないなぁ。。。


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2008年11月24日(月曜日)

2.2脱獄成功、Pwnageで"1600″エラー回避!

カテゴリー: - spiky @ 15時09分24秒 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをTagClickに追加

週明けかなぁと思ってたらさっそくiPhone OS2.2対応の脱獄ツール、"Pwnage2.2.1″が登場しました。

 

The from DelMonte - He Say Yes!”

 

OS全体を奇麗に脱獄(笑)するPwnage2.2.1と、脱獄する部分だけを書き換えるQuickPwnのいずれもリリースされてます。

 

前回、2.0.2から2.1へアップする際は、DFUモードにしたあとiTunesで脱獄OSを入れ替える際に、なにをどうやっても「不明のエラーが発生しました。(1600)」という、例のメッセージができて更新できなかったので、仕方なくQuickPwnを利用して、さくっと脱獄した訳ですが、今回はPwnageでなんとか頑張ってうまく脱獄成功しました。

 

それというのも、今回の2.2用PwnageとQuickPwnとでは、非常に大きな違いが在るからです。

 

今回、純正のOS2.2のアップデートには「ベースバンド」と呼ばれる、ファームウェアの更新が含まれており、Pwnage2.2.1を使うと、ベースバンドは2.1までの状態のままで、OSのみを脱獄します。一方QuickPwnの方はベースバンドまで含めて最新に更新します。

 

開発チームによると、(ファームにアクセスしてのSIMアンロックには未だ成功していないものの)将来的に、現状版のファーム(ベースバンド)におけるSIMアンロックの可能性を残しておきたいときは、ベースバンドをアップデートしないでほしい、ということです。つまり将来的にSIMアンロック機能に期待したい人は、Pwnageを、別にSIMアンロックには興味ない人はQuickPwnでも良い、ということになります。

 

また今回のOS 2.2にあわせて、iTunesも8.0.2が公開されていますが、脱獄する際は、8.0.1のままでやってほしいということです。

 

おそらく、先日開発チームのブログに、ついにベースバンドへのアクセスに成功し、任意のコードを走らせることに成功した、というのが流れていたことから、ベースバンドが新しくなってしまうと、一つにはいま成功したやり方が使えなくなる可能性があること、それと今回のベースバンド更新によってアップルがベースバンドへのアクセスをより困難にしている可能性があることなどからだと思われます。

 

で、海外、国内いずれも「原因不明のエラー(1600)」に悩まされている人が非常に多いようで、僕も前回これでくじけてしまったのですが、今回はSIMアンロックの可能性を残しておきたいので、なんとかPwnageで脱獄を、と奮闘しました。

 

で、結果から言いますと、一点手順で注意をすることですんなりとうまくいきました。

 

先に答えを言いますと、Pwnageを使って純正OSから脱獄OSを作りますが、脱獄OSが完成した直後にPwnageが表示する「以前にPwnageで、脱獄したことがあるか?Yes/No」の質問のところで、「No」を選択することで、あとはすんなりと行きました.当然のことながら、これまでずっと脱獄し続けているので、普通に答えれば「Yes」なのですが、海外と国内でひとつづつ、これでうまくいったという記事を見つけ、ものはためしとやってみました。

 

Pwnageの処理としては、この質問のあと、「No」を(つまり今回が脱獄初めて)選んだ場合は、引き続きの手順としてiPhoneをDFUモードにする手順を示してくれる訳ですが、僕はてっきりこのDFUモードへの切り替えて順を表示する/しないの切り分けしているだけだろうとおもっていたのですが、どうもそうではないようです。

 

結果的に、ここで「No」を選ぶことで、なかでどのように処理が変わっているのかは知る由も在りませんが、しかしこれで無事1600エラーを回避して、OSを脱獄することが出来ました。もし1600エラーで困っておられる人がいれば、試してみる価値ありです。

 

さて、無事DFUモードからOSを更新し、iTunesで純正系アプリやら住所録やらSafariのブックマークやら、そしてiTunesの曲やらがこのあとしばらく時間かけて復元され、現在無事に脱獄アプリ系以外の環境については、すっかり元通りになりました。また脱獄系ツールで変更していた設定も一部残っているようです。たとえば、"Make It Mine"によって変更したキャリア名とか。。。(SoftBankからT-Mobileなんかに変更してます。。。)

 

この1600エラーはもともと、USB接続関係のエラーらしく、海外のサイトでは「別のUSBポートにしてみたら」とか「ハブ経由でなくて直接接続する」とか、はたまたMacを再起動する、なんて指南がたくさんブログ等にでているのですが、どれ一つうまくいきませんでした。ちなみにMacOS 10.4.11ののっているPowerMacG4と、MacOS 10.5.*ののっているMacBookProの両方で、多く書き込みのなされている上記の方法を全て試しましたが、1600エラーの回避はできませんでした。しかし「No」と回答することで、MacOS 10.4.11のほうでうまくいきました。(こちらが通常iPhoneの同期に使っている母艦なので)

 

さて、純正系に関しては元通りなので、とりあえず新しいOS2.2を純正のまま使うならばこれでOKなのですが、それ以外にいろいろと脱獄系アプリをCydiaから入れていたのでこれからそれを復帰せねばなりません。ぼくはてっきりCydiaが純正のApp StoreやiTunesと同じように、過去いれたものを覚えてくれているものと思っていたのですが、どうやらゼロから入れ直さねばならないようで、ちょっと凹んでます。

 

まぁ。幸いにもある時点での各画面のスクリーンショットを全て取っていたので、これをみながらひとつづつ入れて行けば良いのですが、どうも、OSやファームを更新後に、脱獄系アプリを元通り入れ直すのに便利なツールがあるようです。(同じく脱獄アプリ)まぁ、後の祭りですが、次回アップする際のために入れて行こうかな。

 

“AptBackup"というやつで、Cydia経由でインストールしたアプリのリストを保存しておいてくれるようです。でもAptBackupそのものも脱獄アプリなのに、どこにその情報を残すんだろうか。。。

 

  BigBoss Releases AptBackup To Restore Installed Cydia Applications

 

まだ2.2は使いこなしてないですが、絵文字の方は、先にフォント入れ替えて表示できるようにしていた際に、白黒で表示されていた絵文字が、ちゃんとカラーの絵文字フォントに入れ替わってます。ひきつづき僕自身はほとんど絵文字を使わないだろうと思いますが、受信したメールの絵文字がちゃんと表示されるのは助かります。


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2008年11月22日(土曜日)

ちょっとまった!iPhone OS2.2での脱獄

カテゴリー: - spiky @ 08時30分17秒 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをTagClickに追加

昨日から予定通りiPhone OSの2.2が更新可能となってます。

 

脱獄している身としては、2.2対応の脱獄ファームの登場がいつになるか気になるところですが、どうやらあわせてiTunesの方も8.0.1から8.0.2にアップデートされているようで、脱獄以前に由緒正しき更新を行う際に、先にiTunesを8.0.2にしてしまうと、なにやらいろいろと問題が発生するような話が某所で報告されています。

 

なので、まずは8.0.1のままでiPhone 0Sのみを2.2にするのが良さそうです。

 

さて脱獄情報ですが、いましばらくしたらリリースできる見込み、というニュースが流れています。

 

Sir, step away from the keyboard
(失礼ですが、ちょっと後ろに下がってていただけますか?)

 

以下引用。 さて、期待していたように我々の友人、the misfits(※アップルのこと)が待望の2.2をリリースした。しかし自信を持って言えるのは、近い将来「ソフトアンロック」の機会を逸したくなければ、iTunesを使って更新を「してはいけない」ということだ。

 

もし君が、今後も「近い将来登場するだろうソフトアンロック」機能の可能性を残しておきたければ、でも一方で2.2の新しい機能は欲しいという場合は、PwnageToolを使って2.2から作り出されたカスタムipswファイルを使うことで可能だ。これによってベースバンドの更新は回避される。新バージョンのPwnageToolは近日中にリリーススされる予定で、これを使えば、上記のことが可能となる。

 

いくつか判明していること。

 

  • 3G版のためのファーム更新2.2は3G iPhoneに対しベースバンドの更新を含んでいる。
  • 2G(初代iPhone)のためのファーム更新2.2はベースバンドの更新は含まず、ベースバンドのバージョンは04.05.04のままとなる。
  • 我々のPwnageテクニックが(つまり脱獄のこと)、2.2によって問題を生ずることは無いと信じているが(つまり、引き続きいまの脱獄のやり方が2.2でも使えるだろうということ)、しかし2.2に対応したPwnageToolとQuickPwnは残念ながら「まだこのリリースをサポートしていない」ので、せっかく脱獄した状態を維持したければ、iTunesを使って(純正の)2.2に更新しないでほしい。
  • もし(純正の)2.2へ更新し、以前にPwnageToolかQuickPwnを使って君のiPhoneをアクティベートしたことがあれば、一時的にアクティベートはできなくなり、したがって電話が使えないようになるかもしれない。(我々が2.2対応のPwnageToolかQuickPwnをリリースするまで)
  • PwnageToolとQuickPwnのアップデートは、2.2への(脱獄した状態での)安全な更新処理が確認されたならばできるだけすみやかにリリースする予定だ。2.2対応のリリースは間違いなくするけれども、今日明日中にはという感じは無い。我々は現在修正を行っている最中で、従来通りのテストプロセスを経た上でリリースしないといけないと考えている。
  • もし(純正)2.2に更新して、サードパーティ製アプリケーション(ただしApp Store経由でない、つまりCydiaやInstall経由でインストールされたアプリのこと)を使っているとすれば、それらが動かなくなるだろう。
  • 2G(初代iPhone)ユーザで2.2対応のPwnageToolやQuickPwnが待てないユーザは、iTunesを使って(純正の)iTunesに安全に「更新」することが可能だ。この処理を行ったとしても、(その後脱獄したあとの)アクティベーションの余地を残しておくことができるだろう。しかしながらiTunesを使って、2.2へ「復元」してしまうと、iPhoneはアクティベートされてない状態に戻ってしまう。もし少しでも疑問があるようなら、とにかく待つこと。(これは初代iPhoneのみ有効であることに注意)
  • SGM/UMTsサービスを使うためにSIM-Proxies(SIMカードの下に突っ込んで使う、電子回路を含む小さなチップ)はこれまでもそうであったように使わないことをお勧めする。かなり初期の段階で、2.2への更新は無効にしてしまうという報告が上がっている。このデバイスで用いられている方法は不安定で、いまだにこのやりかたを踏襲していることに驚かされる。
  • 今のところ第2世代のiPod Touch向けの作業は行っていない。なので2.2の更新がこのモデルについて関係してくるのかということについてはコメントすることが出来ない。
ということで、いつも通り、君たちが持っているいかなるバージョンのiPhone/iPod Touchに対して、もし多少なりとも疑問の余地があるならば純正2.2の更新は待って欲しい。リリースのタイミングに付いもう少し調べるので、引き続きここの書き込みを注意しててね。;-)


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韓国、アイアンマンを作る

 

どうやら韓国が、韓国版のObjective Force Warrior計画、あるいはFuture Combat Systemに着手したようです。

 

HUDも小型ミサイルもついてしまってる韓国の防護服

 

米国ではすでに10年近く前からObjective Force Warrior計画が進んでおり、その当時はKEEMIXという企業連合体(

そのうちの一社は空飛ぶ車、「エアカー」を開発していたあの会社、モラーインターナショナル)が果敢に提案をしていたものです。

 

 写真を見る限り、米国のOFWの焼き直しのように見えますが、韓国は他のメーカなら断るような難しい仕事もちょいちょいとこなしてしまうような会社、たとえばSamsungがMATRIX用の携帯電話をだしちゃったみたいな、があるのでひょっとするとあっというまに実戦配備になるかもしれません。

 

そうなると、38度線あたりにはこの手の兵隊がうろうろすることになるんでしょうかねー。

 

 


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2008年11月21日(金曜日)

MSのスマートフォンキャンペーン

カテゴリー: - spiky @ 12時57分36秒 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをTagClickに追加

 

マイクロソフトが、スマートフォンの魅力を広げるためのキャンペーンをはじめたそうだ。

 

 スマートフォンの魅力をいかに伝えるか–マイクロソフトの新キャンペーン

 

いかに多くの人に、スマートフォンの魅力を知ってもらい、使ってもらうか?

最も費用がかからず、簡単なのは次のように宣言することだ。

 

 「Windows Mobile非搭載、有害物質は含んでいません。」

 

簡単なことである。

 

 今後の携帯、あるいはモバイルデバイスの将来は、ひとつにはスマートフォンにかかっていると言える。それは間違いない。しかし、スマートフォンの魅力を見せてくれるのは、間違ってもマイクロソフトの製品ではない。Windows Mobileがスマートフォンだと思って購入した人は100%だまされた気分になるだろう。技術的な特質うんぬんや、ユーザインタフェースデザインうんぬんの話は置いておいて、デスクトップ版のWindows(いまならXPかVistaか。。。)から派生したモバイル用のWindows Mobileは、すでに相当古いメタファにもとづいている。

 

スマートフォンの機能は、ユーザが好きに増やしたり、減らしたり(そう、これが大事!)できる点なので、それができない現在の携帯には将来は無い。したがって、

 

  「何が魅力なの?」

 

と聞かれた時に、

 

  「えーっとねぇこれは、ワンセグがついてて、お財布携帯機能がついてて。。。」

 

といった説明はすでに古い時代の見方だ。

 

 また、

 

  「スマートフォンって、すごいいろんな機能がついてるんだよ!」

 

 とつい説明してしまうのも間違いである。「ケータイ」に比べ「いろんなことができる」というのは間違いではないが、「いろんな機能がついてる」わけではない。いろんな機能を追加することもできると同時に、削ることもできるのである。で、こんな説明を聞くと、ガジェットには興味ない普通のユーザは

 

 「えー、そこまでいろんな機能必要ないし。いまの普通のケータイで十分だよ。」

 

というのがお決まりの反応だ。でも実はこれも、勘違いである。もっとも先のような説明をされてしまえば、当然このような印象を持つ人が多いのはごく自然なことだといえる。が、実は、「今のケータイはなんかいろいろ機能がつきすぎてて、そこまでいらない」と思っている人ほどスマートフォンを使ってみるべきだし、本来スマートフォンというのはそういうものだと考えている。

 

 これからの時代、ファッションに工夫をして他人と差別化し、自分というものをよりアピールしていく多様性の時代で、それは衣服に限らず持ち物全てにおよぶわけで、ケータイも例外ではない。事実、デコ電(デコレーション電話)などはその走りといえる。新宿のアルタ横には、味も素っ気も無いおしきせのケータイにスワロフスキーのクリスタルを見事に貼り付けて素敵なデコ電にしてくれるところがある。しかし、見栄えに個性を主張するのに、中身は同じでいいの?ということだ。中身に関しても、「どの機能が必要で、どの機能は必要ないのか?」は個人により様々だ。よりシンプルを好む人は、不必要な機能を極限まで削って操作も簡単にしてしまえばよい。スマートフォンならこれができる。ケータイには逆立ちしてもできない。(auのナカチェンなど、できるうちに入らない。)

 

 従って、スマートフォンこそ、「より自分を主張したい人、不必要な機能に嫌気がさしている人」に向いているのだ。

 

とは言うものの、少なくともこれからのスマートフォンにも欠かせない、たくさんある可能性のなかの一つとして「電話機能」と「データ通信機能」は必須だろう。

 

しかしWindows Mobileは、この必須機能である「電話機能」の使い勝手があまりにタコなのだ。おまけにアプリケーション間の連携は、もっさりとした気持ちの悪いデスクトップ版のWindowsそのままで、およそユーザビリティの面で「気持ちが良い」とはいえない。

 

 勘違いしてはいけないのは、「Windows」というのは、良い製品を象徴するブランドでもなんでもない。ただ単にいまたくさん売れているというだけだ。

市場経済において、

 

 「たくさん売れている、シェアが高い」

 

というのは、必ずしも

 

 「その製品が良い」

 

ということとは同義語ではない。(もちろん、条件がそろって同義語の場合もあるが)。ものが市場で売れるための条件は、その製品の「よさ」だけが条件ではなく、もっと多くの複雑なパラメータが存在する。例えば資金力にまかせて、赤字覚悟で低価格にし、それによってライバル、そのうちのいくつかは優れた製品を生み出している、をつぶしてしまう、という要素である。資金力さえあれば、多分に恣意的に市場を操作することもできるので、ただ単純に「数が多い」ということを選択のよりどころとしないことが寛容である。

 

 実際、Windows、あるいはマイクロソフトの生み出しているソフトウェア製品は「これ明らかに設計ミスでしょ」という機能が随所に盛り込まれ、(あるいは過去の経緯として結果的にそうなってしまった、というものもあるだろう)あまりに生産性が悪い。(日々、胃が痛いことが多すぎる)

 

 いや、悪いというレベルではなく、実際問題として日々無駄な時間をとられることがなんと多いことか。そして多くの人がそれしかしらず、使っているために、「問題がある」ということにさえ気がついていない。しかしなんせ数が多いので、そういった「知らないことを知らない」多くの人たちが、「これいいよ〜」なんて言われると、知らない人はまたその「知らないことを知らない」グループに引き込まれてしまうのだ。危険である。

 

 Windowsが産業市場において非常に多くのシェアを誇っている現実は、すなわち同じシェアの多くの企業が日々無視できないほどの無駄時間=損失を垂れ流していることの裏返しである。残念なことに、いまの企業の経営者・経営陣はあまりにもICTに関し、不勉強すぎる。自らの勝ち負けを左右する最も重要な鍵となる、ICTに関する本質的な知識、それも深い知識が欠けているのだ。

 せいぜい日経パソコン程度(失礼!)を読んでわかった気になっているのは手に負えない。むしろ生半可に表面的な言葉を知っている程度の経営者が一番救いがたい。自社の知的生産性の向上、ひいては価値の創造と俊敏性を真剣に考えるのであれば、Windowsを捨て、マイクロソフトと縁を切る決断ができるはずだ。しかしそう判断できるようになるには、いまの情報技術を知らねばならないと思うし、あらためて勉強すべきだ。

 

 (なんせこの世代が学んでいた時代にはビジネスに使えるパーソナルコンピュータなど無かったのである。せいぜいパンチカードのホスト機がせいぜいで、その時代から、いったいどれくらい世の中が進んでいると思っているのだ。古典的なエンジニアリングという面で見ると、スティーブンソンのロケット号が生まれてから今日までのおよそ200年の間に、乗り物の速度はたかだか170倍程度にしかなっていない。一方で、情報技術の世界、たとえばパーソナルコンピュータで見ると、1980年代に普及はじめた8080ベースのパソコンと、今のCore 2 Duoの世界を比較すると、1年で2倍※、10年で10の3乗倍もの指数関数的速度で伸び、20年間で実に10の6乗倍である。200年の間にたったの170倍にしかなっていない、そういった時代の知識と今との開きがどれだけあるのか、実に明快だ。)

  (※俗に言う、ムーアの法則)

 

 この170倍と10の6乗倍の世界が、いかに違うか勉強してみたいという方は、まずは梅田望夫氏の「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる か廣瀬通孝先生の「空間型コンピュータ―「脳」を超えて あたりを読まれることをお勧めする。

 

 

 ちょっと話がそれてしまった。

 

 「Windows」だからと安心せず、特にいろんなことのできるスマートフォンを選ぶにあたっては、他のいろいろな選択肢も自分でためしてみて判断してみることだ。たとえGoogleで検索して、トップがほとんどWindowsで埋まっていたとしても、それは製品が良いことの保証にはなんら関係ない。

 

 僕自身はiPhoneを使っている。もちろんいまの「ケータイ」にある基本機能を比べると、劣るところもまだ多々ある。しかしスマートフォンは自由だ。この自由さはお仕着せの機能しかない「ケータイ」がいくらきらびやかでも、一度この自由さを知ると、もう戻れない。一度Windows系は選択肢からはずして、それ以外の選択肢で比較をしてみよう。

 たとえば、NokiaのSymbian OSは歴史も長く、こなれていてなかなか楽しい端末が多い。日本での販売は来年からだが、Googleの開発したAndroid OSを搭載するスマートフォンも、いまの既存の携帯の形態にしばられずに開発された最も新しいOSでもあるし、非常に期待が持てる。

(※ 「(今のOSが)バグばかりだ、機能が足らない」というのはやめておいが方がよい。そういった既知の問題とか不具合とか、使い勝手はそのうち改善されるのだ。スマートフォントは日々進化するのである。買った時点ですでに化石である「ケータイ」とは比較してはいけない。)

 

 Windowsはこれからの新しいスマートフォン時代のOSではない。

 

 Windowsを捨てよう、そして新しい時代に飛び立とう。

 

 


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2008年11月20日(木曜日)

ついに登場、ポケットプロジェクタ3種!

カテゴリー: - spiky @ 12時19分50秒 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをTagClickに追加

 

1977年にSFXを駆使した映画「スターウォーズ」が公開されたとき、R2D2が映し出すレイア姫のホログラムを見て、「まぁ特撮だから」という気持ちと、「いつかこんな装置ができたらいいなぁ」と、遠い未来のことだと感じていた。(※日本公開は1978年)

例のあれである。

 "Help me Obi-Wan Kenobi. You’re my only hope.”

 (助けて、オビ-ワン ケノービ!あなただけが頼りなのです!)

 

しかしそれから30年がたち、ホログラムではないもののどこでも映像を投影できる小型のプロジェクタがついに商品として登場した。

 

現在、商品として購入できる(あるいは近日中に購入可能な)のは以下の3つである。

  1. OptomaポケットプロジェクタPico(販売:アップルストア、オーエス)
  2. 3M 手のひらプロジェクタ MPro110 (販売:住友スリーエム)
  3. 海連 手のひらプロジェクタ X Pro920M (販売:有限会社海連)

なおEPSONもこんなのを発表しているようだが、ドラえもん以外の一般人のポケットには到底入らないと思われるので、却下。

現在公開されている情報から比較した表が下記。

Pico MPro110 X Pro920M
メーカ Optoma 3M 海連
値段 5万円以下 56,490円 39,800円
発売日 アップルストアにて先行予約11/20より、全国のアップルストアで12/1より先行販売、12/19より一般販売 発売中 2009年1月中旬より
サイズ 105 × 51 ×17 [mm] 115 ×50 ×22  [mm] 90 ×44 ×80 [mm]
重さ 120 [g] 160 [g] 190 [g]
光学系仕様

米TIが開発した超小型DLPチップセット「DLP Pico」採用

480×320ドット

6型(投射距離0.15m)〜66型(同2.63m)

LED光源のLCoS方式出力640 x 480解像度(入力は1024×768まで対応)の映像を対角8型 〜 48型サイズ(距離 305-1800mm)

VGA, SVGA, XGA

 

 

入力解像度1024×768, 出力解像度640×480

コントラスト比 1000 : 1 ? 100 : 1
明るさ 10 [ルーメン] ? 10 [ルーメン]
入力仕様 ? NTSC, PAL, NTSC(M), PAL(BGHI) ?
映像入力 コンポジットビデオ(ミニ端子)と、アナログ音声(2.5mmステレオミニ)。

コンポジット
VGAのビデオ端子

D-Sub 15Pinとコンポジット映像入力
音声入力 アナログ × アナログ
電源

リチウムイオン電池

DC電源

ファンレス

リチウムイオン電池(充電式)

DC電源

ファンレス

DC電源

ファン付き?

電池駆動 ○(連続2時間) ○(時間不明) ×
特徴

・いまのところ最小
・スピーカー内蔵
・内蔵バッテリ交換可能
・予備バッテリ付き
・ミニ脚用交換ねじ付き
・USBにて充電可能
・2段階輝度調整可
・入力端子がコンポジットのみ
・出力解像度低い

・三脚用ねじ穴つき
・バッテリ駆動可能(時間不明)
・レビューによると作りがちゃち
・左右反転表示(裏から投影のため)可能
・モノスピーカ内蔵
・Mini AV / RCAケーブル付属
・三脚付属
・コントラスト比低い
・バッテリ駆動できない
備考 主としてiPod Touch, iPhone用か?(iPod, iPhone専用ケーブルが付いている模様) PC接続用の持ち運びプロジェクタとして適している。 同社製品「サインはVGA」と組み合わせてスマートフォンでのppt, pdfなどのプレゼン可能(※VGA端子があれば、別にこれでなくても良いような)

 

3製品の比較

 いまのところすぐに買えるのは、本日よりアップルストアにて予約開始となっているPicoと、すでに売り出し中の3MのMPro110である。ポケットプロジェクタは持ち歩く用途が前提であると考えるので、できれば電源の無いところでも駆動するほうが、これまで想像も付かなかったシーンでの利用が可能になるという点で○。そういった意味で、僕的に意味があるのは、PicoとMPro110か。海連のX Pro920MはDCアダプタのみでの駆動なので、確かに小さいのだがモバイルシーンでの活用という面で魅力が半減する。

 ということで、持ち運びできるプロジェクタという面からみると、最も軽く小さいPicoに軍配があがると思う。フットプリント的には3MのMPro110もかなり小さいのだが、それでなくても非常に多くのガジェットを持ち歩いている身としては、軽いことに加え、より「薄い」方が助かる。ただ薄くなるということは、光学系(DLPやレンズなど)も小さくせざるを得ず、基本的な投影機能の面で譲歩する必要が出てくることは認識しておく必要があるだろう。

 

 基本的なプロジェクタとしての性能を見てみると、最も性能が良いのは、3MのMPro110。ポケットプロジェクタの中では、最大の1024×768の入力まで扱え、出力も640×480である。また、コントラスト比も1000:1と高いほうになる。同じ解像度である640×480に対応している海連のX Pro920Mはコントラスト比がMPro110の1/10の、100:1しかない。またサイズ的にも小さいとは言いながらも、ずんぐりむっくりとした大きさがカバンの中での収まりを悪くしている。

 

 いずれも昨今普及してきたデスクトップタイプのプロジェクタに比べると圧倒的に性能が劣るが、一方でプロジェクタを常に持ち歩ける、バッテリ駆動でも動作できるという面で、これまで活用されてこなかったシチュエーションでのあらたなニーズによる市場の拡大が見込めると考える。最終的には購入者がポケットプロジェクタに何を求めるかによって選択肢は変わってくるが、僕的にはプレゼン・DVDや映像の鑑賞といったところなので、パワーポイントでのプレゼン時の解像度を考えると、やはり640×480あるMPro110かな。バッテリーの持ち時間が公表されていないのがちょっと気になります。またバッテリーの交換はできないようなので、バッテリーがきれたら専用のDCアダプタにて充電するためにコンセントを探すことになりそう。少し解像度の点で譲れば、そつなく良いのはPicoの方。なんていってもバッテリーが交換可能な上に、予備バッテリーが標準で添付されているというのも心強い。スピーカも付いてるし、最近の音声つきプレゼンでもなんとかいけそうな気がするし。

 しかしPicoの解像度、完全にiPod, iPhoneと一緒になっているという点、やはりiPod TouchやiPhoneでの利用を念頭において販売を決めたような気がする。フットプリント的にもiPodにかなり近いしね。ソフトバンクのワンセグ&外部バッテリーパックも同じフットプリントなので、カバンの中で収まりがよさそうに思う。

 

ポケットプロジェクタの今後

 さて、これで終わってしまうと、その辺のIT系サイトのまとめ記事と変わらなくなってしまうので、僕なりの見解を述べようと思う。今後、どんどんとポケットプロジェクタの製品が増えて、新しい市場ができてくると思う。もちろん、民生市場でもそれなりの需要があると思うが、僕はむしろ産業分野での潜在的ニーズが非常に多いのではないか、感ずるのである。

 産業分野では、製造業の生産現場がある意味いまだにIT化されていない最後の聖域となっている。しかしものづくりの最前線はやはり現場であり、営業や設計などの上流工程と、この最前線とがICTによって完全かつシームレスにつながれてはじめて、情報化時代の恩恵を最大限にうけた、ロバストでアジャイルなプロダクションループが完成するのである。上流系のICT化については、もういやというほど様々な取組みがなされてきており、ユーザの選択肢も多い。

 しかしながら一方で、生産現場でまともに使えるICT系製品の選択肢はまだまだ足らない。

 少なくとも、空調の効いたビルの机に四六時中へばりついている人たちが使うことを前提とした、デスクトップをメタファとしたICT製品、つまりはコンピュータなり、OSなり、しか未だにない状況を見れば、それは明らかだ。しかしながら今後は、そういった現場系、それも現場の事務所で使うのではなく、極端な話、溶接をしている現場だとか、基礎工事でコンクリートを打っている現場までICTによって製造情報を流し、吸い上げる必要がある。そのための仕組みはまだまだ足らないし、そもそもが現場のアクティビティをメタファとしたOSなり、コンピュータなりがいまだ登場していないのが実情である。

 

 例えば現場端末では北米で9割以上のシェアを誇るPanasonicのTouch Bookにしたって、ハードウェアは確かに相当にタフで現場向きであるが、現場の作業員はべつにTough Bookで釘を打ったりねじを締めたりするわけではない。現場でのこのような作業を情報支援してくれるようなやりかたで情報を取り出し、目の前の対象物に働きかけたいのである。そんな場面にGUIなど必要ない。ましてやWindowsなど全く持って不向きである。

 

 手に持っている端末上で、移動しながら、あるいは不安定な状況で、非常に細かい画面上のポインタを、これまた小さな領域にジャストミートで移動させることがいかに困難な作業であるが、現場に出ないプログラマの多くは知らない。現場には現場のリテラシーがあるし、それに沿った情報機器が必要なのだ。

 

 さて、現場画必要とするものの中で、やはり設計図面や施工図面というものは非常に重要度の高い情報の一つだろう。しかし図面というものは、殆どのケース、30inchのサイズのモニターであっても全てを表示することはできない。これに加えて、チームで作業をしていたりすると、折に触れて複数人でこの情報を閲覧したいケースがあるが、いまのモバイルデバイスの標準的なサイズである8inchやそこらの画面にA0(ゼロ)の図面など出しても何がなんだかわからない。やはり「ばさばさっ」と広げて、同じ作業チームのメンバで一緒に見たいのだ。従い、この問題はモバイルデバイスの物理的画面サイズを大きくすれば良いかというと単純にそういう問題ではないし、またユーザインタフェースの工夫(たとえば拡大・縮小をスムーズにさせるズーミングインタフェースを設けるとか)でどうなるレベルのものでもない。現場にこのようなモバイルデバイスを持ち出して思うのは、

 

 「あぁ、ここの壁にこの図面(あるいは部品リストとか、施工手順図とか)を表示できたらなぁ」

 

ということだ。

 

 そういった用途に実はこのポケットプロジェクタは非常にうってつけなのである。いまは現場の特定の区画にパソコンとプロジェクタを設置し、必要に応じてそこで図面を表示したりというトライアルをやっているケースもあるが、あまり現実的でない。たとえば工事現場から、この場所に戻ってくるのに数十分かかるようなケースなどざらだ。従って、まさに作業をしているその場で見れなければ意味が無いし、活用されない。そんなときにモバイルデバイスと、このプロジェクタがあれば、(屋外ではいまのところ、周りが明るすぎて無理だとしても、なお)使える現場は無数にある。設計でついさっき変更されたばかりの図面情報をものづくりの最前線で確認できる、というのは作業の手戻りを防ぐし、作業ミスも減る。

 

 そういったニーズだけでも無数にあるので、産業分野ではすぐにでも配備したい道具の一つとなるだろう。

 

 しかしながら、プロジェクタとしての基本性能の今後の向上のみならず、先ほど述べた現場のリテラシーというものも、このプロジェクタにおいても慎重に考える必要がある。例えば、プロジェクタは「どこかに設置して、映像をぶれさせない」という暗黙の前提のもと設計されている。家や事務所ならば、机の上に設置すればその要件は満たされるわけであるが、現場では基本そういった形でプロジェクタをどうやって固定するのか、あるいは固定する場所が無いときに、どうやって投影された画像を安定させればよいのか、という点ではたと困ってしまうことになる。

 例えば、プロジェクタ側にマグネットを内蔵し、また様々な平らでない場所、たとえば階段の手すりとか、H鋼のヘリの部分などに固定するためのクリップなりを標準でつけておく必要があるだろう。現場には鉄でできた場所やものがたくさんあるので、クリップが使えない場合はマグネットで固定すればよい。しかしそうなると、モバイルデバイスをどうするか、という話になる。モバイルデバイスは持っていても、置いてもよいが、プロジェクタとの距離と接続方法を考えておく必要がある。基本、モバイルデバイスは身体につけている(ポケットに入れていたり、ベルとクリップでとりつけていたり、あるいははたまた手に持っていたり)ことを考えると、巻き取り式のケーブルとか無線化が必須となるかもしれない。無線化が可能なのであれば、現場に無線インフラがあるとするならば、データは直接プロジェクタに送って、モバイルデバイスを不要にすることもできるだろう。

 

 またプロジェクタを固定するためのいかなる方法も見つからない場合は、手に持って投影する必要があるだろう。将来的にはプロジェクタそのものがモバイルデバイスに組み込まれるケースもあるだろうし、安全ヘルメットにカメラとともに埋め込まれるケースもでてくる。そうなると問題は、プロジェクタが始終動いている、という点だ。当然映像もゆれる。そこでひつようとなるのが、現在のデジカメなどではあたりまえになっている手ぶれ補正機能である。また手に持つ場合は水平を維持するのも大変かもしれない。そうなると昨今の携帯やiPhoneなどでメジャーとなっている、筐体の傾きを検出するための6軸センサーを組み込み、ある程度の傾きに対しては、画像を回転させ、台形補正をかける、などのメカニズムが必要となってくる。

 

 これらの機能それぞれは昨今では珍しいものではないが、それがプロジェクタに使われているケースはいまだない。

 

 そして最後に、耐環境性である。現場の作業員が事務所から毎日持っていく懐中電灯や無線機の壊れ方は、それはもう悲惨なものがある。趣味でアマチュア無線などをしているユーザがみれば、卒倒するだろう。したがって相当な耐衝撃や耐振動対策が必要だ。また防滴、防水も必要かもしれない。引火性の物質を扱う場所においては防爆仕様にするひつようもあるだろう。放射線をあつかう現場では、放射線により誤作動をしないようプロジェクタをシールドする必要があるし、唯一レンズの部分には通常のシールド方法が使えないので、透過性を維持しつつ放射線を通さないような技術も必要となってくる。

 

 とまぁ、このように現場で必要とされるような要件を並べ立てると、現状ではじめたポケットプロジェクタは全くもって十分ではないが、しかし技術的に不可能なわけではない。やがてこのようなプロジェクタが様々な現場機器に内蔵されたり、耐環境性が向上される見込みは十分にあり、現場におけるICTの活用を加速し、生産性の向上や安全性の向上に大きく寄与する望みは小さくない。

 

 ポケットプロジェクタは今後が非常に楽しみなガジェットである。

 レイア姫のホログラムメッセージを受け取れる日はまだ少し先になりそうだが、平面でよければ今すぐにでもジェダイの騎士の気分は十分に味わえる。帝国が攻めてくることを心配して、日夜フォースの訓練に励んでいる人たちにはぜひ最初に買ってもらいたい製品だ。


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2008年11月18日(火曜日)

iPhoneで音声検索、Google Mobile App

カテゴリー: - spiky @ 12時54分50秒 このエントリをはてなブックマークに追加このエントリをdel.icio.usに追加このエントリをTagClickに追加

 

Googleが配布しているiPhone向けGoole検索アプリ、"Google Mobile App"の新バージョンで音声検索ができるようになりました。ただし今のところ「北米英語」のみ。

しかしGoogleで音声検索できるなら、同じ音声認識エンジンと辞書を、Mapアプリに搭載すれば、すぐにでも音声検索できるカーナビが完成するのでは?と考えた。

 

iPhoneに標準アプリとして搭載されている地図アプリ、Map.appは、非常に測位が早く正確なため、iPhoneのアプリの中でもトップ画面からはずせない定番アプリとなっている。つい先日、日本でも経路探索が可能となり、「もうカーナビなんかやめて、みんなiPhoneにしたら?」という感じなのだが、これに音声検索ができるようになったら最強だと思うしだい。

 

このアプリ、検索ウィンドウの右にあるマイクアイコンをタッチすると、検索キーワード入力に音声入力が使えるようになる。cnetの記事では、普通に電話するようにiPhoneを顔に近づけると、自動的にそれを判定して、入力を促すビープ音を鳴らしてくれるらしいのだが、まだ僕のiPhoneではうまくいっていない。

 

Google Mobile Appを試してみたい人は、App Storで"Google Mobile App"を検索してみるといい。すぐに見つかるはずだ。


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